抄録
猪苗代湖に流入する長瀬川河口の南側の湖浜では,当地で卓越する西風による風波が湖岸線とほぼ同じ方向から入射するため,典型的なHigh-wave-angle instabilityによる砂州の発達が見られる.本研究では,この湖浜で起きている砂州の不安定的発達について,既往衛星画像の解析と現地実測により詳しく調べた.この結果,砂州上には3個の砂嘴が発達し,それらの砂嘴の平均移動速度が66 m/yrであることが見出された.また,この移動速度は衛星画像の解析により求めた2010~2015年での砂州の平均移動速度68 m/yrとほぼ一致した.