抄録
下新川海岸の入善町吉原から入善漁港に至る約5 km区間では,東部から入善漁港へと陸棚の幅が狭まり,海岸線近傍まで深く切れ込んだ海底谷が発達している.とくに黒部川河口の東隣に位置する入善漁港付近では,深い海底谷が海岸線ごく近傍にまで迫る.一方,当海岸では西向き沿岸漂砂が卓越しているために,汀線に沿って移動する土砂が海底谷を経て深海へと落ち込む可能性が高く,このことが養浜による砂浜復元の阻害要因となっている.ここではこのような海底谷への土砂損失の機構について,1965年以降の深浅データを基に等深線距離の長期的変化より詳しく調べた.その上でBGモデルにより西端部に位置する急深な海底谷への土砂落ち込み機構について考察し,落ち込み防止策を提示した.