2017 年 73 巻 2 号 p. I_725-I_730
本研究では大型石炭貯蔵浮体(LFTS)を提案し,その石炭積載状況に応じた静的安定性および振動特性について述べる.LFTSは石炭貯蔵・積み出し浮体であり,沖合に設置することでインドネシアの石炭輸送効率を向上させることが期待されている.本研究で提案するLFTSは石炭の総積載量50万 t,平面規模は590 m×160 mと設定した.LFTSは平面的に広がりを有し,弾性挙動が支配的な構造物となる.そこで本研究では,あらゆる石炭の積載状態を満足するような構造断面を検討しLFTSの構造断面を検討するとともに,LFTSは大規模であり浅海域に設置されるため付加質量の影響が大きく,LFTSの上部には大量の石炭も積載されることから,その固有振動数は低周波数帯に存在すると考えられ,波との共振も予想され石炭の積載状態がLFTSの振動特性に与える影響の把握に努めた.