土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.33
橋脚利用式潮流発電を目的とした大島大橋における取得可能なエネルギー量の評価
石垣 衛三好 順也
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2017 年 73 巻 2 号 p. I_773-I_778

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抄録
 再生可能エネルギーを用いた発電技術の需要が高まる中,海洋エネルギー発電技術の実現が望まれている.特に,瀬戸内海は周期的で予測可能な潮流が卓越しており,既存の橋脚を活用した潮流発電が可能となれば発電施設等の建設コストの削減が期待できる.そこで,橋脚利用式潮流発電技術の開発を目的に,橋脚近傍における潮流観測を実施し,発電施設仕様を想定することで取得可能なエネルギー量の算定を行った.本研究では,大畠瀬戸に架かる大島大橋第4橋脚を対象とした観測の結果,最大発電出力は約120.0kWの値を示し,1日の最大発電量は約330.0kWh/日の値を得た.この値は当初見込みの約5分の1であり,その主な要因として,下げ潮時に上流側の橋脚で発生する後流の影響により,発電装置設置場所における発電量が小さくなることが示唆された.この結果より,橋脚利用式潮流発電では,橋脚の後流の影響を回避できる発電装置の最適設置位置を選定し,発電効率上げることが課題として示された.
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© 2017 公益社団法人 土木学会
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