土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.34
波浪が砂浜を遡上し水難事故を発生させる可能性のある新潟県内の海岸の抽出
犬飼 直之篠原 将也小池 悠斗塚田 佳樹山本 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 74 巻 2 号 p. I_127-I_132

詳細
抄録

 平成26年5月に新潟県で発生した事故では,砂浜を遡上する波浪で児童を含む5名が死亡した.既往研究では,事故発生時の波浪や砂浜を遡上する波浪の挙動について考察を行ったが,ここでは,異なる波高・周期時の遡上波浪の挙動の変化を把握するとともに,他の緩勾配地形の海岸での同様な内容を把握した.次に,様々な波浪条件における遡上波浪の危険度を遡上流速および遡上水位から定量把握することを試みた.その結果,事故発生海岸では波高1 m以上で大人でも転倒する可能性が高いことを把握した.更にこの手法を用いて異なる勾配地形の海岸での危険度の定量把握を試みた.その結果,1/10勾配よりも急勾配海岸では,波高 1m,周期6秒程度以上で危険度が増大した.この結果を用いて新潟県内の1/10勾配よりも急な海岸の抽出を試みた.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top