抄録
全長7.5mのポールの先にAPS-Cデジタルカメラを取り付けたカメラで5m程度の低高度の干潟の空中撮影を行って写真測量を行った.干潟地盤の比高とサクションの関係から干潟上に発生した砂州のサクション分布を推定することができ,これがサクションに依存するコメツキガニが選好するサクションの分布と極めてよく一致した.また,地下水の一次元流動計算を行った結果,現地で観測されたサクションを説明できた.ドローンによる空中写真測量と地下水流動計算によって,より広範囲における砂質干潟上のサクション依存型のベントスの生息範囲を推定することができると考えられた.