抄録
地震・津波等により被災し水没した防波堤に残存する防波性能を把握することは,暫定利用する港湾の安全性や事前嵩上げの要否等を評価する上で極めて重要である.また,これと同様な水理特性を有する没水堤は水面付近の波力を直接受けずに分裂による伝達波の短周期化が期待されるため,特にうねりによる荷役障害が懸念される離島港湾などで新たな静穏度対策となり得る.
そこで本研究では,不透過の矩形・台形潜堤及び透過台形潜堤上を伝播する不規則波の断面模型実験を行い,波高伝達率の推定式の妥当性,及び不透過潜堤上で生じる成分波間の非線形干渉とその背後での自由波へのエネルギー移行により,砕波直前の非砕波時に潜堤背後で有義波周期が2割以上短くなること等を確認した.また,これらの現象はブシネスクモデルを用いて非常によく再現された.