抄録
損傷劣化が生じている護岸・堤防を対象に,一律に予防保全的に維持管理を実施することは現実的ではなく,確認された損傷劣化の優先度を設定し,計画的に点検診断や維持修繕を進める必要がある.
このため,本研究では,長崎県で実施した点検診断結果を用い,発生した損傷劣化をパターン化してそれぞれについて維持管理の優先度と予防保全対応の考え方を検討した.検討にあたっては,確認された変状について護岸・堤防の変状連鎖に照らし合わせ,将来的に施設の性能に深刻な影響を与えるおそれのある損傷劣化については優先的に対応することとし,点検診断及び修繕に関する方針を示した.