2018 年 74 巻 2 号 p. I_653-I_658
富山湾に面した下新川海岸では,各所に形成されている海底谷を経由した深海への土砂流出が起きている.このような漂砂特性を有する下新川海岸全体での底質粒径の水深方向については,検討が十分行われていない.そこで,下新川海岸全体を対象に10測線を設定し,これらの測線において汀線から水深20 mまでの水深域についてダイバーによる底質調査を行い,縦断測量データと合わせてこの海域でのd50と局所海底勾配の関係について考察した.この結果,d50は水深によらず局所海底勾配と高い相関関係にあり,局所海底勾配が大きな場所では粒径が大きく,局所海底勾配が小さい場所では細粒の土砂が堆積していることが分かった.