抄録
福島第一原子力発電所事故後に実施された除染作業により,放射性セシウムを含有した除去土壌が発生した.本研究では,この除去土壌を海面処分場で最終処分することを想定し,海面処分場の底面遮水に用いる遮水地盤材料の開発を行った.底面遮水のための遮水材料の必要性能について検討を行い,海成粘土にベントナイト,砂,ゼオライトを混合することによる遮水性能への影響について検討した.ベントナイトは遮水性,砂は遮水材料の圧縮性の低減及び圧密係数の増加による施工性,ゼオライトはセシウムの吸着性の向上を目的として添加した.間隙内平均流速を考慮するためカラム試験により求めた有効間隙率は,圧密通水試験により求めた間隙率と同等であった.間隙内平均流速に関する透水係数は,砂の添加により増加するが,ゼオライトの添加では変化しないことが分かった.