抄録
既存の地盤改良船に取り付けた密閉式バケットにより,原位置で海底地盤を改良する原位置混合工法を考案した.本工法は,海底粘土の掘削,改質材との混合,改質土の投入の工程を原位置で実施可能であり,大幅な施工簡略化が期待できる.また,バケット内がドライ状態に保持できるため改質土の強度品質の向上や施工時の濁り抑制が可能となる.ここでは,本工法の実現可能性を明らかにするため,1/20モデルの室内実験を行った.
実験の結果,粘土地盤の取り込み,改質材との混合,改質土の投入は実施可能であり,本工法の実現可能性は高いと考えられる.一方,実験では粒径1.18 mm以下の改質材を使用したが,実施工は,粒径40 mm程度が対象となる.このため,実粒径の改質材を用いた大型実験での混合性の評価が今後の課題と考えている.