抄録
海底地盤が砂質土地盤である箇所に管理型廃棄物処分場を建設するため,海成粘土から作る人工遮水地盤材料を敷設して底面を遮水する工法が開発されている.本研究では遮水地盤材料に乾燥質量比2~4%程度のセメントを添加する少量セメント添加を行い,施工に必要な強度を付与する方法について検討した.セメント固化処理土はせん断変形によりクラックが発生し透水係数が上昇したが,少量セメント添加粘土では,20%程度のせん断変形を受けても透水係数は変化しなかった.ただし,少量セメント添加による固化構造によって同じ圧密圧力における間隙比が大きくなるため,透水係数が増加することに注意する必要がある.