抄録
本研究では,南北大東島の港湾において使用されている係船浮標を対象として,波浪外力に対して被災しにくく,かつ被災した場合でも交換が容易になるような係船浮標の部材構造について概念設計を行い,維持管理を考慮した新型の係船浮標として提案した.提案した係船浮標は,水中に位置保持された複数の浮体(フロート)と取り外し可能なシャックルにより連結された2本の係留索を用いた新型の水中フロート式係船浮標である.この係船浮標は,維持管理を考慮して,被災した場合に交換が容易な部材構造で構成されており,静的釣り合い計算により設計波浪外力に対しても十分に安全な構造諸元を有していることを確認した.