2019 年 75 巻 2 号 p. I_115-I_120
北海道留萌海岸に沿って走る国道232号では,悪天候時に発生する強い西風で越波被害が生じている.この対策として,被災箇所で汀線・深浅測量が行われているが,当地は沖合約300mに浅い岩盤帯が分布し,砕波帯内にはバーが発達するなど「測量がしづらい」場所であった.そこで,航空機搭載のグリーンレーザ(以後,ALB)で,海から陸を効果的に測量する技術を試行した.取得した最大水深は約10mで,最浅部の高さが10cmの岩礁や水深約3mに発達したバー等の地形が測量できた.従来技術との比較では,ALBの精度は15cm以内,路線長1.5kmにおける現地と解析の作業性は2.3倍,経済性は路線長が2.1kmを越えると優れること,さらにレーザ計測と同時に空中写真撮影を行うためデータの付加価値が高まる等がわかった.