2019 年 75 巻 2 号 p. I_121-I_126
港湾構造物の維持管理,特に被災直後の消波ブロックの沈下計測では,消波ブロックに人が直接昇って測量するなど過去には危険な状態で実施されることもあった.この代替手段として,UAVを用いた計測により正確な三次元データが取得できれば,従来よりも安全かつ安価で高精度な測量を実施できる.本研究では,これまで実施されてきたGCPと組み合わせたUAVによる写真測量に加えて,島防波堤のような船舶を用いなければGCPを取得できない海上の施設でも直接の計測ができるRTK-GNSSシステム及びPPKシステム搭載型の各UAVを用いて防波堤等の測量を実施し,それらの計測精度を比較した.その結果,RTK-GNSSシステムおよびPPKシステム搭載型のUAVを用いれば,数cmの誤差で防波堤の形状を測量できることが明らかとなった.