2019 年 75 巻 2 号 p. I_181-I_186
半乾燥地における塩類集積防止の対策工の1つとして礫層と砂層を重ねたキャピラリーバリア地盤(以下,CB地盤と記す)がある.半乾燥地の乾燥砂は施工時の振動等で礫粒子の間隙に混入しやすく,層境界面を長期的に保持することが困難である.筆者らは,この課題に対し礫材の代替材として破砕貝殻を用いることで,CB機能を保持したまま乾燥砂が破砕貝殻層の間隙内へ混入することを同時に防止することを明らかにした.しかし,破砕貝殻を用いた場合,貝殻粒径により水分特性曲線が異なるため,微粒子分を含む破砕貝殻層で構築したCB地盤は水分(塩分)の上昇遮断機能を低下させる可能性がある.本研究は,微粒子分を含む破砕貝殻層を用いたCB地盤の長期に渡る毛管上昇の遮断効果を室内実験によって観察すると共に,供試体内の水分挙動の数値解析を行った.