2019 年 75 巻 2 号 p. I_223-I_228
浚渫土砂処分場の受入可能容量を予測するには,粘土の自重圧密を考慮して圧密対象層が増加していく圧密解析を行うことが必要で,粘土が沈降堆積した極低拘束下の圧密定数を含む広範囲の応力状態に対応する圧密定数を設定する必要がある.この極低拘束下の圧密定数を求める方法は特殊な装置を用いる様々な手法が提案されているが,一般化されておらず,簡便に設定できる手法が望まれている.
本研究では,多層沈降実験を用いる方法で求めた国内5地域の浚渫粘土の圧密特性とその物理特性を収集し,それらの間に高い相関関係があることを示した.さらに,その関係から簡便に圧密定数を設定する方法を提案し,北九州空港島における事例に適用し,提案した方法の有効性を確認した.