2019 年 75 巻 2 号 p. I_277-I_282
既に著者らは,複数の透過性防波堤が港湾域に含まれる場合を対象にして,防波堤の特性を反射・透過率などの1次元的な指標を用いて簡易的に取り扱う近似解析法の開発を進めてきた.本研究は,この近似解析法について,平面的に配置された浮防波堤列や浮防波堤を含む港湾域への適用性を従来の実験結果との比較の上で明らかにする.ここでは,特に浮防波堤を抜ける透過波の堤体間および陸域間での相互干渉の近似度合い(干渉近似次数)と算定精度の関係などに着目して検討を行い,工学的な見地から必要となる最低限の干渉次数などについて究明した.