2019 年 75 巻 2 号 p. I_403-I_408
Flume式減揺タンクをPitchの低減に効果がある方向とRollの低減に効果がある方向に直交して浮遊ケーソンの天端に搭載した状況を取り扱い,規則波下と多方向不規則波下における減揺タンクの動揺低減効果を水理実験により検討した.また,減揺タンクの効果を簡易に評価できる手法を構築し,その適用性と有用性を確認した.その結果,規則波下では,Pitchは固有周波数とその倍周波数付近で増大し,減揺タンクにはその増大したPitchを低減させる効果があること,多方向不規則波下では,PitchだけでなくRollに対しても効果があることを確認し,本研究で対象とした減揺タンクとその配置の有効性を明らかにした.また,本解析手法により,減揺タンクがPitchに与える効果を概ね評価でき,それに基づいて効果的な減揺タンクの水量を見積もれることを確認し,本解析手法の有用性を示した.