2019 年 75 巻 2 号 p. I_456-I_461
本研究では,高波時の洋上モノパイル基礎の安定性検討の観点から,遠心力場で砂地盤-モノパイル系の波浪実験を行い,パイル周辺地盤の液状化発生特性と,洗掘対策で用いられるパイル周りの表層礫置換のパイルの安定性への効果を詳しく調べている.実験は遠心力場70Gで行った.実験の結果,モノパイル周辺地盤で,波の進行方向に対しパイル側面部の地盤で液状化が発生しやすいことが得られ,進行波によってもたらされる主応力方向の回転(厳しい繰返しせん断)とパイルの存在による地盤内の部分排水条件の制限の2つの重要性を示した.パイル周りの礫置換工法は,液状化抵抗を4割程度増加させるものの,厳しい波に対しては液状化が発生しパイルの倒壊を免れないことから,パイルの安定に対しては礫層置換のみでなく密地盤への一定以上の根入れが重要となることを示した.