2019 年 75 巻 2 号 p. I_462-I_467
港湾における杭基礎を用いた構造物では,施設の大型化や構造形式の変化に伴い,杭に大きな支持力が期待されるようになり,杭の長尺・大径化が進んでいる.ところが,開端杭の閉塞の問題と深度に依存する杭の支持力評価の問題が混在するため,長尺・大径化した開端杭の支持力評価方法は定まっていない.本研究では,開端杭の杭内周面摩擦と実質部分抵抗力を分離して測定ができる二重管模型杭を用いて貫入実験を行い,開端杭の杭先端の支持力分布について検討した.また,杭先端各部に作用する抵抗を測定できる閉端杭でも貫入実験を行い,開端杭と閉端杭での杭先端の支持力分布の違いについても検討した.得られた結果より,杭先端の抵抗力分布には杭先端の閉塞状況が大きく影響を及ぼすことが分かった.