2019 年 75 巻 2 号 p. I_504-I_509
地球温暖化対策として,海洋生物によって捕捉・吸収される炭素「ブルーカーボン」が注目されている.アマモ(Zostera marina)の成長に伴いCO2が吸収され,同時に地上部や地下部でのアマモ生物体の更新により,生物体の一部が海底に炭素ストックとして貯留される.アマモ場にCO2を効率よく吸収させる方法を検討するうえで,光合成によるCO2吸収に影響を与える,一様流場におけるアマモの有効水草高さ(Deflected Vegetation Height:DVH)に関する検討は重要である.そこで本研究では,様々な水深および流速の条件を与えてDVHに関する検討を行った.その結果,一様流場において,水深がアマモの葉長以上の場合とそうでない場合で,異なる傾向を示すことが分かった.さらにパラメータCaとBを用いることにより,アマモが水中に完全に水没する限界を推定できることが示された.