2019 年 75 巻 2 号 p. I_522-I_527
海中に浸漬した焼酎粕混和マグネシア系モルタルの微細藻類付着特性を明らかにすることを目的とした.セメントモルタルCMとマグネシア系モルタルMM,それぞれに乳酸発酵させた甘藷焼酎粕を混和したCS,MSの4種類の供試体(円柱形:直径11mm,高さ20mm)を用いて夏季と冬季に実験を行った.浸漬期間と微細藻類付着密度の関係を求めるために,海中に設置した供試体を回収し,N, N-ジメチルホルムアミド溶液に浸漬して蛍光光度計を用いてクロロフィルa濃度を測定した.MSのクロロフィルa付着密度はCM,CS,MMよりも高い傾向にあり,夏季実験では3週間後に最大になり,1,3,6週間後でCMよりも有意に高く,冬季実験では1,2週間後にCMよりも有意に高かった.海中構造物に焼酎粕を利用する上でマグネシア系モルタルと混合することで微細藻類付着量が多くなると考えられた.