2019 年 75 巻 2 号 p. I_659-I_664
わが国で実施されているサンドリサイクル(養浜)は,重機や浚渫船で堆積砂を掘削し,陸上運搬または海上運搬して侵食域に投入するという行為であり,毎年多くの予算を費やしている上,代替する効果的な対策がなかった.このことは鳥取県においても同様であり,さらに大型の重機や浚渫船が搬入できない泊地や岸壁沿いなどの堆積域では,土砂の撤去が困難であり,維持管理上の支障を来してきた.後者に求められるサンドリサイクルの規模は1,000~3,000m3/yr程度である.
本研究では,後者に対応し,既往工法よりコンパクトで本県の地域特性に適合した恒久的なサンドリサイクルシステムの導入を目的として,砂除去装置を用いたサンドリサイクル工法(鳥取方式のサンドリサイクル工法)に今回新たに中継ポンプを組合せて,土砂の長距離輸送の試験工事を実施し,有用性を検討した.