2019 年 75 巻 2 号 p. I_677-I_682
本研究では,ディープラーニングの一つである畳み込みニューラルネットワークを用いて学習・判別をすることで海岸画像と関連性の高い波浪条件について検討を行った.データセットには,三重県南部に位置する七里御浜井田海岸の護岸背後に設置されたネットワークカメラによって撮影された現地海岸画像に,NOWPHASや気象庁より得られた波浪データをラベル付けしたものを使用した.その結果,波の打上高と現地海岸画像との関連性が認められた.その他の波浪条件についても概ね関連性は認められ,画像の質やラベルの分類数,学習・判別に使用する画像枚数が判別精度に影響することが判明した.また,誤判別した画像を確認することで,特異な波浪データは判別できないことが明らかとなり,画像と関連性の低い波浪状況を把握できる可能性が示唆された.