2019 年 75 巻 2 号 p. I_821-I_826
防舷材は係留施設の付帯設備の一つとして,船舶の安全な接岸と円滑な荷役のために重要な役割を果たしている.しかし,防舷材が損傷・劣化を受けた場合には,係留施設の供用停止や供用制限等による経済的損失が発生し,施設全体の運用や維持管理にも影響を及ぼす.防舷材は長期に使用されることから,その耐久性の確保が要求される.国際航路協会(PIANC)では,2002年に「防舷材システム設計の指針」を公表し,新たに船舶接岸用ゴム防舷材に耐久性確認の手法を示した.日本では,2010年に国土交通省港湾局の港湾工事共通仕様書においてゴム防舷材の耐久性についての記載が追加され,PIANCガイドラインとの整合が図られた.本研究では,ゴム防舷材メーカーが実施した耐久性試験データの分析を行った.