2019 年 75 巻 2 号 p. I_917-I_922
土木構造物においては,建設時のコストだけでなく,維持管理を念頭にしたライフサイクルコストを考慮することの重要性が増してくると考えられる.なかでも消波ブロックは供用期間中に維持管理補修を行うことが前提であり,設計波などの極大波浪だけでなく,来襲する年最大波やその頻度分布により補修のタイミングが異なることから,それらをライフサイクルコストで考慮することが重要となる.本研究では,設計波の算出方法として,従来から用いられている9つの標準的な極値分布のうち最も近い形状を用いる手法ではなく,年最大波の分布にもっともフィットする極値分布を算出し,この分布形状を用いてモンテカルロシミュレーションを行い,極値分布の形状と被害率の関係を調査する.さらに,補修のタイミングの違いがライフサイクルコストに与える影響を検討する.