2019 年 75 巻 2 号 p. I_959-I_964
北九州市は,2010年度から響灘地区が有する充実した港湾インフラや広大な産業用地を活かし,産業の裾野が広く雇用創出効果が高い風力発電産業を主たるターゲットに据え,「風力発電関連産業の総合拠点」の形成を目指した「グリーンエネルギーポートひびき」事業を推進している.
本稿は,この総合拠点化における中核的な事業である大規模な洋上ウインドファームの設置に向けて取り組んできた活動実績をまとめるとともに,事業を進めるに当たり直面した課題を明らかにし,その解決策を考察することを目的とする.主要な活動としては,洋上風力発電施設の適地設定と改正港湾法における公募による占用予定事業者の選考があげられる.