2020 年 76 巻 2 号 p. I_234-I_239
アンズー河口はベトナム中部ビンディン省に位置している.同河口においては北に向かう砂嘴の成長が著しい.このため,河口の浅化が河口内を港として利用する船舶にとって大きな障害となっている.しかし,当地では現地データの蓄積が乏しく,砂嘴成長の機構の把握や対策検討がなされていなかった.本研究においては,1988年以降に撮影された衛星画像をもとにアンズー河口砂嘴の変動に関する定量的な検討を行った.その結果,砂嘴は北に向かって平均的に140m/年の速度で延伸していることが分かった.これに伴い,対岸の砂嘴もほぼ同じ速度で後退している.この砂嘴移動速度に漂砂の移動高さを乗じることにより推定される沿岸漂砂量は,別途,実施された数値シミュレーションにより評価された沿岸漂砂量と良好な一致を示した.