2020 年 76 巻 2 号 p. I_240-I_245
遠州灘に面した浜松篠原海岸に形成されている砂丘群の地形特性を現地観測により調べた.その上で,波による漂砂と飛砂を同時に考慮した地形変化予測モデルを用いて砂丘群形成の再現計算を行った.現地調査では,海浜背後において砂嘴と類似した形状の砂丘がリズミックに形成されており,また,砂丘幅が狭い場所では背後地までの波の遡上,ないし飛沫の飛散により保安林の松枯れが起きていることが明らかにされた.砂丘群の再現計算では,海岸線とほぼ平行に近い角度で風が吹き込む条件で砂丘群の発達が起こることが分かった.