2020 年 76 巻 2 号 p. I_270-I_275
沖縄北谷町では,両端を突堤に挟まれた長さ630mの人工海浜が造られた.養浜後,この海浜では斜め入射波の作用により著しい海浜変形が起きた.リーフの掘削により人工海浜の前面には深い溝が南北方向に伸びていたが,人工海浜の北部沖には浅いリーフが残されていた.このためそれによる波の遮蔽が起き,波の遮蔽域外の南部海浜から遮蔽域内の北部海浜へと向かう北向きの沿岸漂砂が生じ,これにより南部では汀線が後退し,北部では前進することになった.このように変形の著しいアラハビーチに関し,新たに深浅測量を行い,既往データと合わせて海浜変形機構を解析した.