2020 年 76 巻 2 号 p. I_276-I_281
中津干潟に流入する舞手川の河口では,2019年3月までに長さ54mの河口導流堤が延ばされた.河口導流堤の建設後,様々なモニタリング調査が行われた.2019年9月18日のドローン画像によれば,この河口導流堤は河口流路の固定化,河口砂州の形成抑制,河口左岸の砂丘地の侵食防止,河口導流堤の西側隣接部でのカブトガニ産卵のための砂州形成などに役立ったことが分かった.河口導流堤の延伸後,河口の西側に隣接する砂丘地の侵食が止まっただけでなく,砂丘地前面の砂浜が大きく広がった.また,河口左岸沖に粗砂が堆積して砂州が形成され,それがカブトガニの産卵地となったことが分かった.