2020 年 76 巻 2 号 p. I_366-I_371
曳航・据付作業時に浮遊状態にあるケーソンの動揺低減効果に与えるフーチング幅の影響を自由動揺実験と強制動揺実験により考究した.自由動揺実験より,Pitchの固有周期は相対フーチング幅の増加とともに大きくなる傾向があることを確認した.また,HeaveおよびPitchの非線形減滅係数も相対フーチング幅の増加とともに大きくなり,フーチングの延長は動揺の減衰に効果があることを示した.強制動揺実験より,Heaveの全振幅は入射波周期がHeaveの固有周期と一致したときに,Pitchの全振幅は入射波がPitchの固有周期と同周期または2倍周期となったときに同調現象が生じて増大することが判明した.以上の点を考慮して,適切なフーチング幅を決めることの重要性を示唆した.