2020 年 76 巻 2 号 p. I_37-I_42
特異日とは,その前後と比べて,特定の気象現象の出現頻度が高い日で,経験的に強風,弱風の特異日として知られている日がある.風の特異日が存在するのであれば,風によって生成される波浪の特異日が存在するはずである.波浪の特異日の特性が明らかになれば,大型の港湾工事の工程を立てる際にも有用な情報になると考えられる.本研究では波浪と風に着目し,特異日の存在について調べた.その結果,強風,弱風の特異日として経験的に知られていたものが,観測資料から確認できた.高波高の特異日は,日本海側では強風の特異日と対応するが,太平洋側では必ずしも対応しない.低波高の特異日は,両海域とも弱風の特異日と対応する.波形勾配については,高(低)波高の特異日は,波形勾配が大きい(小さい)特異日と対応している.