2020 年 76 巻 2 号 p. I_450-I_455
国内の港湾構造物では,施設の大型化や構造形式の変化に伴い,基礎工に大きな支持力が求められている.特に,横桟橋やジャケット構造物では,杭に大きな支持力と曲げ耐力を期待するために,杭の大径化と長尺化が進んでおり,鋼管杭の先端支持力の推定精度を高めることが期待されている.本研究は,開端杭の先端支持力の発現状況を検討することにより,開端杭の支持力推定精度を向上させることを目的とした.そこで,開端杭の杭内周面摩擦と実質部分抵抗力を分離して測定ができる二重管模型杭を用いて貫入実験を行い,杭先端断面積当たりの抵抗力について検討した.その結果,実質部抵抗力は内周面摩擦の発現状態に応じて変化していることが明らかとなった.