2020 年 76 巻 2 号 p. I_456-I_461
本研究では,洋上風力発電などの基礎として注目されているサクション基礎の安定性検討の観点から,砂地盤-サクション基礎系の波浪実験を行い,波による液状化とサクション基礎の不安定化との関わりを詳しく調べている.実験は遠心力場70gで行った.実験の結果,基礎周辺の地盤浅部で液状化が発生した後,サクション基礎バケット先端深さまで液状化が拡大すると,基礎の変位が発生し始め急激に不安定化することを明らかにした.基礎周辺地盤の液状化の発生・拡大とサクション基礎の不安定化とは密接に関係することを示した.さらに,バケット先端を密地盤に一定深度貫入させることで,上部の緩い地盤が液状化してもバケット先端付近まで液状化が拡大せず基礎は安定を保つことが得られた.