2020 年 76 巻 2 号 p. I_462-I_467
本研究では,高波作用時の海洋構造物の安定性検討の観点から,実海域における海底地盤の液状化の可能性を評価している.具体的には,ナウファスデータを用いて,日本周辺の暴波浪に対する液状化の危険性を地盤に作用する繰返しせん断応力比を用いて評価するとともに,解析により地盤内の間隙水圧応答および液状化過程を予測した.その結果,地盤が緩ければ,液状化を発生させる厳しさの波浪がたびたび日本周辺で発生していることが得られた.さらに,時系列波浪データを用いた解析により,波浪特性や地盤の透水性などを考慮した上で間隙水圧応答を予測し,波高の増減に伴い過剰間隙水圧は上昇と消散を繰り返し,厳しい波が連続することで液状化に至ることが得られた.