2020 年 76 巻 2 号 p. I_486-I_491
遮水シートを使用した管理型埋立護岸において,最終締切を遮水シートで行う場合は捨石マウンド等の石材の間を水が通って海水交換が行われるが,石材から損失を受けることで内外水位差が発生し,堤内水位が低い場合においては遮水シートに揚圧力が作用する.ポンプ注水により堤内水位を高くすることが対策となるが,ポンプ台数等を決定するために必要な石材の透水係数の設定が課題であった.既往研究では,砕石程度の小さい粒径について実験しているが,現地規模粒径についてはなされていない.そこで,現地規模に近い粒径を用いて透水実験を行い,Dupuit-Forchheimer則による計算値と比較し,適用性について検討した.その結果,粒径が大きい場合でもDF則は適用でき,現地観測結果との比較から実規模粒径にもDF則は実用上適用可能であることを示した.