2020 年 76 巻 2 号 p. I_588-I_593
羽田空港D滑走路の埋立部と桟橋部を繋ぐ埋立/桟橋接続部(以下,接続部)の鋼管矢板井筒護岸の施工期間中において,埋立部の圧密沈下や接続部護岸の水平変位についての動態観測を実施した.その動態観測に基づき,設計時に行った護岸変位予測を更新・評価しながら,施工計画にフィードバックする情報化施工を行った.護岸変位予測は,関口・太田モデル(修正カムクレイ型)による二次元土水連成弾粘塑性FEM解析(以下,自重解析)により実施した.さらに供用後も,動態観測を継続し,自重解析による護岸変位予測の更新を行うことで護岸の長期安定性を評価した.本論文では施工中・供用後の自重解析による接続部護岸の水平変位予測と,供用開始後10年間の動態観測との整合状況とそれに基づく護岸の長期安定性評価について報告する.