2020 年 76 巻 2 号 p. I_600-I_605
港湾構造物は塩害に対して厳しい環境下におかれるため適切な維持管理が求められるが,劣化した桟橋の残存耐力を評価する研究はあまり多くはない.著者らはこれまでに,劣化度判定結果を用いた桟橋の残存耐力評価手法を提案し,汎用の構造解析プログラムにより残存耐力評価を行うことを可能とした.一方で,複数桟橋の維持管理優先度を決定するためには,構造解析を必要としないさらに簡易な残存耐力評価手法も望まれている.そこで本研究では,想定外力に対する桟橋の損傷面積率を推定する人工知能技術を導入した残存耐力評価手法を提案し,構築したプログラムの推定精度検証と任意の劣化度分布を有する桟橋の損傷予測を行った.数値情報と画像情報から予測する手法はいずれも高い精度で損傷を推定でき,画像情報の手法により損傷面積率だけでなく損傷分布も把握できることが示された.