2020 年 76 巻 2 号 p. I_702-I_707
本研究の目的は,東京湾において,GCOM-C SGLI(通称「しきさい」)のSST(表面水温)データの精度を検証することと,月平均水温の特徴を把握することである.この目的を実現するために2019年1月から2019年8月まで,東京湾の3地点で午前11時±30分に同期観測された210個のSGLI SSTと実測SSTデータセットが取得された.その結果,同湾におけるSGLI SSTの精度は,品質フラグによる雲除去を行った場合,標準偏差が0.90℃,バイアスが-0.27℃とそれぞれ計算された.またSGLIから導かれたSSTデータは各月9~33%の取得率であった.さらに月平均SST分布の特徴として,特に1~2月の湾口部において,SGLIのデータはそのフロントをよく捉えている.