2020 年 76 巻 2 号 p. I_738-I_743
海上施工時の波浪状況は施工精度や安全性に大きな影響を及ぼすため,施工中の来襲波浪を把握することは非常に重要である.従来,施工場所の波浪の把握は監視員の目視や計測機器を用いて行われてきたが,熟練技術や計測機器の設置などの手間が必要であった.そこで,最近では画像計測による波浪計測が注目を集めている.本研究では,従来の計測機器(加速度計および水圧式波高計)と画像解析を用いた波浪計測を行い,精度および特性比較を行った.加速度計および画像解析より求めた水位変動はよく一致することがわかった.計測の容易さやリアルタイム性および安全性では後者の画像解析が優れていることが明らかとなった.一方,画像解析はビデオカメラが必要であり天候に左右されることから,常時計測には加速度計や水圧式波高計が適している.