2020 年 76 巻 2 号 p. I_798-I_803
沿岸域における底泥輸送の数値計算を行う上で,重要な物理過程である再懸濁(巻き上げ)について,最もよく使われるフラックス式であるAriathurai-Partheniades式中のモデルパラメータである限界せん断応力と浸食速度パラメータを現地で効率よく測定できる装置の開発を試みた.この装置は,入手が容易な汎用型の機器類や材料で容易に作成できる.また,極力小型で軽量にし現地での取り回しが容易になるように設計された.開発された装置を用いて,水俣湾の19地点の現地測定実験を2日間で行った.その結果,本装置を用いた調査では一地点あたり30分程度で測定が可能であり,効率よく巻き上げに関する2つのパラメータ決定のための観測ができた.以上より,底泥輸送数値モデルにおける巻き上げに関するパラメータを現地で簡易に測定でき,それらパラメータのマッピングを容易に行うことが可能になった.