2021 年 77 巻 2 号 p. I_13-I_18
漁港施設の防波堤や岸壁の点検では,施設の大部分が水中であり潜水士による目視観察調査が主体で行われているため,診断結果にバラつきが生じ客観性に欠けることや調査に多大な労力を要することが指摘されており,センシング技術を利用した点検手法の高度化や簡便化が求められている.
著者らはこれまでセンシング技術の一部である,水中音響機器のナローマルチビームおよび水中3Dスキャナーを活用し,点検方法としての有効性を提示するとともに,精度や適用性を提示した.本稿では実際の点検業務への導入を目指し,現地試験にて両機器の適用条件を明らかにした.また,目視観察が難しい沖合構造物の点検において,水中3Dスキャナーによる点群データと UAV による画像データの利用による点検手法を提案し,その有効性を検証した.