土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.37
大阪湾の港湾の防災・減災に活用する高潮早見図の試作
井瀬 肇田所 篤博原 信彦樋口 直人松林 清志井上 省吾本多 和彦河合 弘泰
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 77 巻 2 号 p. I_283-I_288

詳細
抄録

 港湾の管理者・利用者は台風接近の遅くとも3日前には防災行動を開始する必要があるが,その段階で高潮を予測できるのは独自の予測システムを持っている人に限られる.そこで,予測システムや専門知識がなくても高潮偏差の概略値を推定できる図表(高潮早見図)を試作した.それは,様々な台風のコース,中心気圧,進行速度に対する高潮計算を実施し,その結果を大阪湾の港湾ごとに整理したものである.平成30年台風第21号を例に,気象庁の台風進路予報を用いて観測値に近い値を推定できることも確認した.このように,高潮早見図は,3日以上前に防災行動を適切に開始する判断に有効なツールとなり得る.

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top