2021 年 77 巻 2 号 p. I_313-I_318
オホーツク沿岸の流氷(オホーツク海・総流氷面積,網走沿岸・全氷量),波浪(紋別NOWPHAS),汀線データを収集し,流氷の有無が汀線変動に与える影響について基本的な検討を行った.北見海岸の砂浜(延長約140km)の10m毎の汀線位置を1990年から2020年の期間に撮影された衛星画像より読み取った.網走沿岸・全氷量と有義波高の関係より,流氷が沿岸に到達する波浪を抑制していることが示された.対象域の汀線位置は総じて前進する傾向にあった.流氷量と汀線変動の関係を分析した結果,流氷が少なかった年は長期トレンドと比較し,汀線位置が陸側にあることが示唆された.