2021 年 77 巻 2 号 p. I_487-I_492
著者らは, 高圧脱水固化処理装置によって, 高含水比の浚渫土砂を高強度ブロックとして有効利用する技術開発を行っている. 本論文では, 放射状排水理論に着目してブロック作製時の圧密特性と強度特性を調査した. さらに, 放射状排水理論を用いた強度推定を行い, 実測値との比較によってこの推定方法の妥当性を評価した. 得られた結論をまとめると以下のようになる. (1) 固化処理土ブロック作製時の圧密時間は, 放射状排水理論を適応させた脱水棒を用いることで用いない条件の45時間から6時間となり約39時間短縮する事ができた. (2) 脱水棒を用いて作製した高圧脱水固化処理土ブロックの28日強度は10.5MPa となった. (3) 放射状排水理論を用いた強度推定の実測値との誤差は, 1.5MPa以内となり, 高い精度での強度推定が可能となった.