2021 年 77 巻 2 号 p. I_481-I_486
海面廃棄物処分場跡地を高度利用する際には,構造物を支持する基礎工として支持地盤への杭打設が必要となると考えられ,その場合,遮水基盤(粘性土地盤)を貫通するような杭の施工が必要である.杭を打設した場合には廃棄物を遮水基盤以下へ連れ込むことが懸念される.本研究では杭の肉厚より大きな廃棄物に着目し,それを平板に簡略化してモデル化し,これを杭が押し込む実験を行うことで,偏心傾斜荷重を作用させた平板の貫入抵抗と回転挙動の関係について観察し,杭肉厚より大きな廃棄物が杭に押し込まれるときの挙動について検討した.実験の結果,偏心度が大きいほど平板は回転しやすくなり,貫入深度が浅いところで杭から外れること,平板の貫入抵抗は偏心量が大きいほど小さくなることがわかった.