2021 年 77 巻 2 号 p. I_55-I_60
近年,地球温暖化の影響による最大クラスの台風の来襲などにより越波被害が頻発しており,設計沖波の見直しが全国的に進んでいる.これに伴って設計波が大きくなると考えられ,今後,越波対策として消波工の需要は高まっていくと推察される.護岸の設計実務で越波量を算定する際,合田の越波流量算定図が使用されるが,消波工の断面形状や被覆形式等の条件が合わない場合も補間して使用している.本研究では,完全被覆かつ全断面形式の消波工断面について,施工事例を参考に波浪条件等を設定した水理模型実験を実施し,越波流量算定図を作成した.また,2層被覆形式についても同じ条件で実験を行い,被覆形式の影響を定量的に評価した.さらに,CLASHデータベースに基づく越波流量推定式および打上げ・越波統合算定モデル(IFORM)の適用性を確認した.