2021 年 77 巻 2 号 p. I_49-I_54
近年,計算機の飛躍的な性能向上に伴い,オープンソースソフトウェアが,数値流体力学ツールとして注目を集めている.しかし,最近のオープンソースソフトウェアは,その開発が急速に進んでいるため,基礎的なモデル検証が十分に行われないままに応用される傾向も見られ,ソフトウェアの正当な評価が誤解されている向きもある.本研究は,海岸・海洋開発分野において適用例が報告されつつあるOpenFOAMとDualSPHysicsの非ニュートン流体解析への適用性の検証として,ポアズイユ流れとスランプ試験をベンチマーク問題とした比較検証を行った.本研究は,同じベンチマーク問題を異なる2つのソフトウェアを用いて計算することで,それぞれのソフトウェアの計算モデル,精度,計算コストの特徴を明らかにした.